部門の紹介
関節リウマチの治療は、生物学的製剤や分子標的薬の登場により飛躍的な進歩を遂げています。さらに、高いQOL(生活の質)を目指した手術療法の発展もあり、より精密な関節?病態の評価と専門的な治療が求められる時代となっています。一方で治療の高度化に伴い、感染症や併存疾患への対応など安全性への配慮もこれまで以上に重要となっています。加えて、患者様が疾患にとらわれず日常生活を送るためには、きめ細やかな継続的ケアが不可欠です。このような背景のもと、当院では内科と整形外科が密接に連携し、包括的な診療体制を構築することを目的として、2011年(平成23年)4月にリウマチセンターを開設しました。
現在では、関節病変を主体とするリウマチ性疾患から全身疾患まで幅広く対応し、専門性と総合性を兼ね備えた診療を提供しています。
診療内容
当センターには、日本リウマチ学会認定専門医?指導医、および登録ソノグラファーが在籍しています。
丁寧な問診?身体診察を基盤とし、血液検査や画像検査に加え、特に関節エコーを積極的に活用することで、早期診断と精密な病態評価に努めています。
治療においては、抗リウマチ薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、分子標的薬などを用いた高度な薬物療法を中心に、整形外科による外科的治療も合わせて、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
対象となる疾患
当センターでは、関節リウマチおよびその類縁疾患、および膠原病全般を対象に診療を行っています。
2025年度時点で約1,200名の患者様が通院されており、年間約300名の新規紹介患者様を受け入れています。
主な対象疾患
??リウマチ性疾患
関節リウマチ、脊椎関節炎(乾癬性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、反応性関節炎、分類不能脊椎関節炎)、リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群、SAPHO症候群、炎症性/びらん性変形性関節症、結晶性関節炎(痛風?偽痛風)など
??膠原病
全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、特発性炎症性筋疾患、混合性結合組織病、抗リン脂質抗体症候群など
??血管炎?その他
高安病、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、結節性多発動脈炎、ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)、IgA血管炎、成人発症スチル病、ベーチェット病、IgG4関連疾患、再発性多発軟骨炎、キャッスルマン病、TAFRO症候群、自己炎症性症候群など
受診される患者様へ
外来の受付時間は午前8時~午前11時までですが、予約患者様についてはこの限りではありません。診療時間は午前9時からです。当院は特定機能病院のため、原則予約制となっております。初診の方は、かかりつけの医療機関より当院の地域連携室を通じて当センターの診察予約を取得いただくようお願いいたします。
紹介状や予約なしで来院された場合、当日の診察が受けていただけない場合がございます。初診の方はこちらもご確認下さい。(https://hospital.naramed-u.ac.jp/outpatient/first.html )予約なしでの受診の場合、相当待ち時間が生じますことをご了承ください。
ご不明な点は当院地域連携室、もしくはリウマチセンター外来までお願いいたします。
医療関係者の先生方へ
リウマチ?膠原病が疑われる患者様につきましては、診断および治療方針の決定に加え、病勢の安定化を目指した専門的な診療を行っております。病勢が安定した後は、患者様の状況に応じて地域の先生方と連携しながら、継続的な医療を提供いたします。
また、治療中の患者様においても、疾患活動性の評価や治療内容の見直し、生物学的製剤?分子標的薬の導入および継続管理、合併症への対応などを行っております。さらに当センターでは、整形外科と内科が密に連携した診療体制を整えており、関節破壊が進行した症例や手術療法が検討される症例についても、内科的治療と外科的治療の双方の観点から一貫した診療を提供することが可能です。
先生方のご施設でリウマチ?膠原病が疑われ、専門的な診療が必要と判断される患者様がおられましたら、どうぞお気軽にご紹介ください。患者様の状況やご紹介元の先生のご意向に応じて、当センターでの継続診療または併診など柔軟に対応いたします。
地域の医療機関の先生方との連携を重視し、患者様にとって最適な医療が提供できるよう努めてまいります。
なお、セカンドオピニオンにつきましても対応しておりますので、ご希望の際は地域連携室を通じてご相談ください。
学生?研修医?専攻医の先生方へ
当院は日本リウマチ学会認定教育施設であり、リウマチ専門医取得に向けた指導体制を整えています。
診療研修は、内科系は総合診療科、外科系は整形外科で中心に実施しておりますが、リウマチセンターを軸として両者が密に連携していることが大きな特徴です。このため、関節疾患(リウマチ性疾患)に対する外科的観点と、全身性疾患としての内科的視点の双方を、日常診療の中で自然に学ぶことができます。特に整形外科領域においては、一般的な関節外科手技に加え、関節エコーに精通した医師が在籍しており、関節エコーを活用した診療技術を実践的に学ぶことが可能です。診断評価や治療介入の判断、治療効果判定においてリアルタイムに病態を捉える力を養うことができるほか、X線、CT、MRIなどを含めた各種画像所見の読影についても、実臨床に即した形で体系的に学ぶことができます。また、内科領域においては、単なる臓器別診療ではなく、総合診療の枠組みの中で「疾患」ではなく「患者さんそのもの」を捉える診療を重視しており、膠原病?リウマチ診療を通して、全身を診る力と臨床推論力を高めることができる環境です。
専門性と総合性の両立を目指す方にとって、非常に魅力的な研修の場であると考えています。また、奈良は都市部へのアクセスも良好でありながら、歴史と文化に囲まれた落ち着いた環境にあります。当院でのリウマチ専門医研修にご興味のある方や見学を希望の方は、ぜひお気軽に当センターまでご連絡ください。
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総合診療科(教授)
センター長 ?本 清巳よしもと きよみ
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本プライマリ?ケア連合学会
- 日本病院総合診療医学会
主な資格?認定 - 医学博士
- 日本内科学会認定総合内科専門医?指導医
- 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医
- 総合診療専門医?特任指導医
- 日本プライマリ?ケア連合学会 家庭医療専門医?指導医
- 日本病院総合診療医学会認定医
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地域医療学講座(教授)
日本リウマチ学会認定施設責任者 赤井 靖宏あかい やすひろ
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- アメリカ内科学会(ACP, American College of Physicians)
- アメリカ腎臓学会(ASN, American Society of Nephrology)
- 日本腎臓学会
- 日本糖尿病学会
- 日本透析医学会
- 日本医学教育学会
- 日本高血圧学会
主な資格?認定 - 医学博士
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日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医?指導医
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日本内科学会 総合内科専門医
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日本腎臓学会認定 腎臓専門医?指導医
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日本糖尿病学会認定糖尿病専門医
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日本透析医学会認定透析専門医?指導医
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アメリカ合衆国内科専門医
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アメリカ腎臓学会上級会員(FASN)
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リウマチセンター(准教授?病院教授)
副センター長 森田 貴義もりた たかよし
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本アレルギー学会
- 日本免疫学会
- 日本臨床免疫学会
- 日本骨免疫学会
- 日本再生医療学会
- 日本呼吸器学会
- 日本産婦人科?新生児血液学会
主な資格?認定 - 医学博士
- 日本内科学会認定総合内科専門医
- 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医?指導医、評議員
- 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
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リウマチセンター(学内講師)
副センター長 原 良太はら りょうた
所属学会 - 日本整形外科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本脊椎関節炎学会
- 日本関節病学会
- 日本リウマチの外科学会
- 日本整形外科超音波学会
主な資格?認定 - 医学博士
- 日本整形外科学会専門医
- 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、評議員
- 日本リウマチ学会登録ソノグラファー
- 日本関節病学会准評議員
- 日本リウマチの外科学会評議員
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リウマチセンター
新名 直樹しんみょう なおき
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本神経内科学会
主な資格?認定 - 日本リウマチ学会認定専門医
- リウマチ財団登録医
- 日本内科学会認定総合内科専門医
- 日本神経内科学会専門医
- 日本リハビリテ-ション医学会認定専門医
- 身体障害者福祉法指定医
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総合診療科(准教授)
矢田 憲孝やだ のりたか
所属学会 - 日本内科学会
- 日本救急医学会
- 日本集中治療医学会
- 日本プライマリ?ケア連合学会
- 日本血栓止血学会
- 日本病院総合診療医学会
- 日本IVR学会
- 日本脈管学会
主な資格?認定 - 日本内科学会認定総合内科専門医
- 日本救急医学会認定救急科専門医
- 日本集中治療医学会認定集中治療専門医
- 日本血栓止血学会認定医
- 日本病院総合診療医学会認定医
- 日本救急医学会ICLSディレクター
- 日本内科学会JMECCインストラクター
- VHJ機構指導医陽性講座修了
- 緩和ケア研修会修了
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総合診療科(講師)
松原 正樹まつばら まさき
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本内分泌学会
- 日本糖尿病学会
- 日本動脈硬化学会
- 日本プライマリ?ケア連合学会
- 日本病院総合診療医学会
主な資格?認定 - 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本内分泌学会 内分泌代謝科(内科)専門医?指導医
- 日本糖尿病学会 専門医
- 日本動脈硬化学会 評議員
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腎臓内科(病院助教)
對馬 英雄 つしま ひでお
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本腎臓学会
- 日本透析医学会
主な資格?認定 - 日本内科学会認定総合内科専門医
- 日本腎臓学会腎臓専門医?指導医
- 日本透析医学会透析専門医?指導医
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総合診療科(講師)
大野 史郎おおの しろう
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本感染症学会
- 日本病院総合診療医学会
主な資格?認定 -
日本内科学会 総合内科専門医
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国際渡航医学会認定医療職(CTH)
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日本感染症学会感染症専門医
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リウマチセンター
松岡 秀俊まつおか ひでとし
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本アレルギー学会
- 日本骨粗鬆症学会
主な資格?認定 -
日本リウマチ学会 リウマチ専門医?リウマチ指導医
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日本内科学会 総合内科専門医
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日本骨粗鬆症学会認定医
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日本アレルギー学会専門医
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日本リウマチ学会登録ソノグラファー
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総合診療科(助教)
西村 信城 にしむら のぶしろ
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本プライマリ?ケア学会
- 日本病院総合診療医学会
主な資格?認定 - 日本内科学会認定総合内科専門医
- 日本リウマチ学会認定専門医?指導医
- 日本プライマリ?ケア連合学会家庭医療専門医
- 日本病院総合診療医学会認定総合診療医
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在宅医療支援センター(特任助教)
千﨑 聡士せんざき さとし
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本プライマリ?ケア学会
- 日本病院総合診療医学会
主な資格?認定 - 日本専門医機構認定総合診療専門医
- 日本DMAT隊員
- 日本医師会認定産業医
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総合診療科(診療助教)
田口 浩之たぐち ひろゆき
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本プライマリ?ケア学会
- 日本病院総合診療医学会
主な資格?認定 - 日本専門医機構認定総合診療専門医?特任指導医
- 日本プライマリ?ケア連合学会家庭医療専門医?指導医
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整形外科
西村 碩人にしむら ひろと
所属学会 - 日本整形外科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本脊椎関節炎学会
- 日本関節病学会
主な資格?認定 -
日本整形外科学会整形外科専門医
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総合診療科
羽角 貴之はすみ たかゆき
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本プライマリ?ケア学会
- 日本病院総合診療医学会
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総合診療科/リウマチセンター
井口 絵里加いぐち えりか
所属学会 - 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
| リウマチセンター | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
|---|---|---|---|---|---|
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整形外科外来 【1階13番】 |
原(初診) | 原 | |||
| 西村(初診) | |||||
| 森田 | 赤井(午前) | 對馬(午前) |
松原(1,3,5週) 矢田(2,4週) |
松岡 | |
| 新名 2,4週午後 |
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総合診療科外来 【2階65番】 |
担当医(初診) (矢田/西村/千崎ほか) |
担当医(初診) (吉本/大野/★井口ほか) |
担当医(初診) (森田/大野/田口ほか) |
担当医(初診) (矢田/松原/千崎ほか) |
担当医(初診) (松原/田口/★井口ほか) |
※★は女性医師です。
※リウマチセンターの外来診療は、1階整形外科外来と2階総合診療科外来の2箇所で行っています。
初診予約については、基本的に整形外科的診療の場合は1階整形外科外来で火曜日と木曜日に、内科的診療の場合は2階総合診療科外来で月曜?金曜までの各曜日で受け付けております。
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休診
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休診
関節リウマチについて
Q1. 関節リウマチとはどのような病気ですか?
関節リウマチは、本来細菌やウイルスなどから体を守るはずの免疫の働きに異常が生じ、関節や腱の周りの滑膜に炎症が起きる病気です。適切な治療を行わないと関節の変形や機能障害につながることがありますが、現在では有効な治療法が多く登場しており、早期に治療を開始することで関節の変形を防ぎ、良好な経過を期待できるようになっています。
また、関節リウマチは関節だけでなく、肺などの臓器に症状が現れることもあり、全身に影響を及ぼす病気として考えられています。
Q2. どのような症状があった場合に関節リウマチを疑い受診を考えた方がよいですか?
朝起きたときに手がこわばる、指や足の関節が腫れて痛むといった症状が続く場合には、関節リウマチなどの病気の可能性があります。特に複数の関節に左右対称に症状が出る場合や、数週間以上関節の腫れと痛みが続く場合には注意が必要です。
気になる症状がある場合には、早めにかかりつけ医や専門医にご相談ください。
Q3. 関節リウマチ以外で関節が痛くなる病気にはどのようなものがありますか?
加齢や使いすぎによって引き起こされる変形性関節症、痛風や偽痛風などの結晶性関節炎、感染症のほか、更年期障害や甲状腺機能異常などのホルモンの変化によって関節の痛みが生じることもあります。また、関節リウマチ以外の膠原病やまれではありますが悪性腫瘍なども原因になる場合もあります。
関節の痛みの原因はさまざまであり、症状や検査結果を総合して診断を行います。
Q4. 関節リウマチの検査にはどのようなものがありますか?
関節リウマチの診断では、まず問診や診察を通して、症状の出方や関節の状態、これまでの経過などを丁寧に評価します。その上で、血液検査(CRP、リウマトイド因子、抗CCP抗体など)や、関節エコー、レントゲンといった画像検査を組み合わせて総合的に判断します。
また、関節リウマチ以外の病気を見分けるためや、安全に治療を行うために、B型肝炎やC型肝炎、結核などの感染症の検査、間質性肺炎などの合併症の評価を行うこともあります。さらに、関節の腫れが強い場合は、関節に針を刺して液体(滑液)を採取し、感染症や痛風などの病気がないかを確認する検査を行うこともあります。
いずれの検査も、多くの場合、外来で無理なく受けていただける検査であり、必要に応じて患者様の状態に合わせて行います。
Q5. 血液検査で異常があると言われましたが、すぐに病気なのでしょうか?
関節リウマチに関連する検査(リウマトイド因子や抗CCP抗体など)が陽性であっても、それだけで関節リウマチと診断されるわけではありません。診断は症状や他の検査をあわせて総合的に判断されますので、血液検査の結果だけで過度に心配される必要はありません。一方で、関節の痛みや腫れなど気になる症状がある場合には、かかりつけ医や専門医にご相談ください。
Q6. 関節リウマチの治療にはどのようなものがありますか?
関節リウマチの治療には、生活習慣の改善(禁煙など)といった基礎的な対策に加え、薬物療法、リハビリテーション、手術療法などがあります。当センターでは、主に薬物治療と必要に応じた手術療法を組み合わせて治療を行っています。
薬物療法には、合成抗リウマチ薬(従来型、分子標的型)、生物学的製剤などがあり、毎日内服する薬や週1回の内服、注射や点滴で投与する薬などさまざまな種類があります。これらの薬は、関節の炎症を抑え、痛みを改善し、関節の破壊を防ぐことを目的として使用されます。
一方で、免疫の働きを調整する薬であるため、感染症に注意が必要となる場合がありますが、定期的な検査を行いながら、副作用に注意しつつ治療を進めていきます。
患者様の状態に応じて適切な治療を選択し、使用前にはそれぞれの薬の特徴について十分に説明いたしますので、ご不安な点があればご相談ください。
膠原病について
Q7. 膠原病とはどのような病気ですか?
膠原病は免疫の異常により全身に炎症が起こる病気の総称です。関節の症状だけでなく、
発熱や皮疹、血管や内臓の障害など、さまざまな部位に症状が現れることがあります。
膠原病には、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの比較的よく知られた病気から、発症頻度の低い病気までさまざまな種類があります。また、多くの膠原病は国の指定難病に含まれており、専門的な診断と治療が必要となることが特徴です。現在でも治療法が確立していない病気も存在しますが、新しい薬剤も日々開発されており、適切に診断?治療を行うことで、症状をコントロールできる病気も多くあります。
Q8. どのような症状があった場合に膠原病を疑いますか?
繰り返す発熱や、なかなか治らない発疹?紅斑などの皮膚症状がみられる場合には、膠原病の可能性があります。日光に当たると皮膚症状が悪化する(光線過敏)場合や口内炎を繰り返す場合にも注意が必要です。
また、寒いときに指が白くなり、その後暗赤色に変化するレイノー症状や、朝のこわばり、指の皮膚がつっぱって握りにくくなるといった症状も特徴的です。
そのほかにも、関節や筋肉の痛み、筋力低下、目や口の強い乾燥、原因のはっきりしない体調不良や強い倦怠感など、全身にさまざまな症状が現れることがあります。
さらに、感染症では説明がつかない咳や息切れが続く場合にも注意が必要です。
これらの症状が複数重なる場合には、膠原病が疑われることがありますので、早めにかかりつけ医や専門医へご相談ください。
Q9. 膠原病の検査にはどのようなものがありますか?
膠原病の診断では、血液検査(抗核抗体や各疾患に関連する自己抗体、免疫の状態や臓器の障害を反映する指標など)を中心に、必要に応じて画像検査や臓器ごとの検査を行います。
膠原病は全身のさまざまな臓器に影響を及ぼす可能性があるため、症状に応じて呼吸器、腎臓、脳神経、皮膚、眼科などの各臓器の専門科と連携しながら検査を行うこともあります。
病気の種類によっては、複数の科で並行して検査を進めていく必要がある場合もあります。通院回数が増えることもありますが、全身の状態を正しく把握し、病気の重症度を評価することが、その後の適切な治療方針を決めるうえで重要となります。
また、検査結果で自己抗体が陽性であっても、それだけで膠原病と診断されるわけではありません。症状と合わせて総合的に判断されるため、血液検査結果(特に自己抗体の検査結果)だけで過度に心配される必要はありません。気になる症状がある場合には、かかりつけ医や専門医へご相談ください。
Q10. 膠原病の治療にはどのような薬が使われますか?
膠原病の治療では、ステロイドや免疫抑制薬、生物学的製剤などを用いて炎症を抑える治療を行います。治療内容は、病気の種類や重症度に応じて異なります。
膠原病の治療では、ステロイドが中心となることも多いですが、1種類の薬だけで十分にコントロールできることは少なく、複数の薬剤を組み合わせて治療を行うことが一般的です。
これらの薬は免疫の働きを調整する作用があるため、感染症に注意が必要となる場合がありますが、定期的な診察や検査を行いながら、副作用に注意しつつ治療を進めていきます。
また、膠原病の中には、現在でも治療法が十分に確立されていない疾患もあり、その場合は症状を和らげる治療を中心に経過をみていくこともあります。
いずれの場合も、患者様の状態に応じて治療方針を決定し、できるだけ日常生活を維持できるようにサポートしていきます。
ステロイドについて
Q11. ステロイドの副作用にどのようなものがありますか。ステロイドの副作用が心配です。
ステロイドは膠原病の治療において非常に重要な薬であり、現在でも多くの病気で高い効果が期待できる治療の中心となっています。
一方で、副作用が心配される薬でもありますが、すべての副作用がすべての患者様に起こるわけではなく、内服量や期間によってそれぞれの副作用の出やすさは異なります。現在では、副作用をできるだけ抑えるように治療方法が工夫されており、定期的な診察や検査を行いながら副作用に注意しつつ治療を進めていきます。
具体的な副作用としては、感染症にかかりやすくなる場合があるほか、顔が丸くなる(ムーンフェイス)、体重増加(中心性肥満)、血糖値や血圧の上昇、脂質異常などがみられることがあります。また、骨が弱くなる、筋力が低下する、皮膚が薄くなる、胃腸障害、気分の変動や不眠、白内障や緑内障などが生じることもあります。
このようにさまざまな副作用が知られていますが、必要に応じて予防や早期対応を行うことで、多くの場合適切な対応によるコントロールを目指しています。
膠原病の中には、ステロイドが非常に有効であったり、他に十分な治療法がない場合もあり、効果と副作用のバランスを考えながら適切に使用されています。ご不安な点があれば、遠慮なく主治医にご相談ください。
Q12. ステロイドの内服中に何に注意をする必要がありますか?
ステロイドを内服する際には、いくつか注意していただきたい点があります。
?ステロイドは自己判断で中止しないことが重要です
ステロイドは体の中で作られている副腎皮質ホルモンです。内服を続けることで、体は自分でホルモンを作らなくなります。そのため、急に内服を中止すると体内のホルモンが不足し、体調不良を起こすことがあります(重症の場合は意識障害やショック状態になることもあります<副腎クリーゼ>)。
また、症状が改善していても病気が治ったわけではなく、薬で抑えられている状態のため、急に中止すると病気が再び悪化することもあります。必ず指示された用量?方法で内服してください。
?感染症予防に注意が必要です
ステロイドの影響で感染症にかかりやすくなることがあります。人混みを避ける、マスクの着用、帰宅後の手洗い?うがいなど、基本的な感染対策を心がけてください。
また、感染予防の観点から、生ものの摂取は控えることをおすすめしています。生ものの範囲ですが、肉類だけでなく、サラダや果物などまで含めて意識してもらうようにしています。ステロイドを多く内服している間は、できるだけ加熱されたものを摂るようにしてください。
ステロイドの内服量については、個人差もあるため詳しくは主治医へご確認ください。
?血糖値の上昇に注意が必要です
ステロイドにより血糖値が上がりやすくなります。特に内服量が多い間は、間食を控えることが大切です。特に夜の血糖値が上がりやすいことが知られていますので、夕食を食べすぎないことや夕食後の間食を避けるなど、食生活にも注意してください。
?転倒?骨折に注意してください
特にご高齢の方では、骨が弱くなり骨折しやすくなることがあります。また、筋力が低下して転びやすくなることもあります。立ち上がりや移動の際には無理をせずゆっくりと動くようにし、必要に応じて支えを利用するなど注意してください。
?気になる症状があれば早めの相談を
ステロイドにはさまざまな副作用があります。気になる症状や体調の変化があった場合は、早めに主治医にご相談ください。
Q13. ステロイドをやめることはできますか?
多くのリウマチ?膠原病では、病状が安定すればステロイドを減量し、最終的には中止することを目標に治療を行っています。
近年ではステロイド以外の有効な薬剤が増えており、これらを併用することでステロイドを減らしやすくなってきています。一方で、病気の種類や状態によっては、ステロイド以外に十分な治療手段がない場合や、症状とのバランスから思うようにステロイドを減量できないこともあります。そのため、すべての患者様で必ず中止できるとは限りません。
いずれの場合も、病状をみながらできるだけ少ない量でコントロールできるよう調整していきます。減量や中止についてご不安な点があれば、主治医にご相談ください。









